
「結」から話を始める
2013/07/08
物語のテクニックの一つです。通常は「起承転結」で話が進みますが、あえて「結」から始めることで、一味違ったライトノベルを書くことができます。
これには二つのパターンがあります。
目次
「結」から始まり、「起」「承」「転」で進むパターン
見所が「転」にある場合に有効です。日常系の話で、登場人物が既に揃った状態で話を初め、「出会ったのはいつだった(起承転結の起)」「こんなこともあったよね(起承転結の承)」「実はあんなこともあったよね(起承転結の転)」といった具合で話を進めるのに有効です。
また、推理小説などで、「僕は今、犯人に仕立て上げられている」という結末を最初に見せ、「どうして『僕』が犯人扱いされているのか」や、真犯人を読者に探してもらうこともできます。
「結」から始まり、「転」「承」「起」で進むパターン
出会いや物語の始まりになる「起」に見せ所がある場合に有効です。
「僕らは今、ここでこうしている」という「結」から始まり、「あれは○○だった」「あれは○○だった」と、前に戻っていくパターンです。
結から始まれば、物語の方向が見える
本来の物語の終わりが「結」ですから、物語の伝えたいことが凝縮されているわけです。
例えば恋愛物では、物語の終盤に持って行くべきである「僕らは付き合うことになりました」という文言から話を始める場合、「恋愛もので主人公は幸せになる」という結末が見えているわけです。ここで、男友達の友情ばかりを描くのでは、話の筋から逸れています。ハーレム状態になりながらも、誰かと付き合うことになるはず、いったい誰なんだろうという話の持って行き方や恋路に置かれたハードルを乗り越えるさまを描くが正しいのです。
また、通常の「起承転結」で話を書く時も、一度「結」を最初に置いてみて下さい。「結」と「起」の話の道筋は逸れていないか、確認することができます。
エピローグは付ける
「結」から話を始めるということはインパクトがありますが、「転」で終わるにしろ、「起」で終わるにしろ、「エピローグ」のようなものを付け、しっかりと話が終わったことをイメージ付けます。
書いたあとには問いかける
書き終わったあとには「この順番でなければならなかった」と思わせるだけの話になっているか確認しましょう。通常の「起承転結」でもよかったのでは? と思うようなら書き直すことも必要です。
時系列を変える
上記の説明は、時系列をバラバラにして説明しましたが、時系列をいじるということは、読者がついていけないということもあります。
しっかり、「何年前のあの日」と明記し、文章も過去形を使うなど、丁寧に作ることが大切です。