物語の基本

ライトノベルにおける伏線とは何か

2013/07/08

 ライトノベルにおいては、伏線を張ることは一般書籍以上に重要課題となっています。
 伏線を覚えることで、ライトノベルに深みを出すことができます

伏線とは何か

 伏線とは、ある事件が起こる「前フリ」のようなものです。ただし、「雨が降りそうだ→雨が降った」というような簡単なものではありません
「水に濡れるとやられてしまうキャラクターが、雨に濡れる描写を書く」ときに、都合よく雨を降らせるのではなく、「雨が降り出しそうだ」という文章を物語の一部に隠すように配置しておくのです。

いい伏線と悪い伏線

 伏線にも色々あります。簡単に言うと、いい伏線悪い伏線です。
 いい伏線とは、事件が発生したとき、読者が「あのときのアレが伏線になっていたのか」とあとから気付くものです。
 反対に、悪い伏線とは全く伏線として役割を果たしていない、もしくは先が読めてしまうものです。

「実は」こういうことでした、というのがいい伏線

 伏線の楽しさは、「実はこういうことだったのか」と読者に気付かせることにあります。推理小説にも似ていて、最初から犯人やトリックが分かっていたのでは面白くなく(そのパターンの話で面白いものもありますが)、読者に犯人やトリックを探させることに面白みがあります。

見せ場を考えておく

 見せ場を考えておけば、伏線は案外簡単に作ることができます。上記の例でいえば、水に濡れるには雨やスプリンクラー、シャワーやホースなど、様々なパターンがあります。雨が降ったり、スプリンクラーが発動させたり、シャワー付きのロッカールームに追い込んだり、ホースを取り出したりします。もちろん、スプリンクラーやシャワー付きロッカールーム、ホースなどが都合よく出てきては面白くありませんご都合主義です。
 伏線は理系の大学の廊下だったり、私立で設備もしっかりしていたり、毎朝花壇で水をあげている人がいるなどという描写を入れておくことです。これらはプロット段階でメモをしておくのがよいでしょう。

伏線の意味をなしていないものは悪い伏線

 悪い伏線の一つが、伏線になっていないものです。読者に気付かれなかったり、あるいは「AだからB」の論理が破綻しているものです。
 上記の例で言えば、雨の描写がなかったり、分かりにくかったりすれば、読者は伏線だと気付きません
 また、「6月だから梅雨」という論理は通じても、「今月は12月だ」といっても「だからなに?」となります。読者にも分かる伏線が必要です。

前フリが分かりやすすぎても悪い伏線

 ガチガチの伏線は面白くありません。推理小説で「包丁持ってたでしょ?」「あの日事件現場であなたを見ました」と言って、これを裏返すのではなく「そうです、犯人です」というようなものです。
 上記の例では「雨が鬱陶しい」「雨が振り続けている」とずっと書いているようなものです。「雨に濡れてやられるんだな」というのがバレています。

一般書籍では伏線ではなくとも、ライトノベルでは伏線回収が求められるもの

 一般書籍以上に、ライトノベルでは伏線回収の楽しみが必要です。
 例えば、爪を噛む癖の人がいます。一般書籍では、単なる癖です。現実世界でもそうでしょう。
 ですが、ライトノベルでは「爪を噛む癖がある」と書いてしまえば、「犯人の親指の爪がギザギザだった」という「伏線回収」が求められるのです。つまり、伏線にならなかったり、物語に必要のない「余計な文章は書かない」のです。
 これを逆手にとり、「せっかく癖を書くんだったら伏線にしよう」「せっかく描写も書くなら」「せっかく○○したんだから」と、伏線にすることもできます

伏線は沢山張っておく

 基本的な伏線はプロット段階で、物語の中枢には関係ない伏線は推敲のときに伏線を張ると、簡単に張ることができます。

-物語の基本
-, , ,